「さぁ、アリーナに行こう!」〜宮城県仙台市・ゼビオアリーナ仙台編

  1. コラム
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日本には数多くの室内アリーナと言われるものが存在しているが、昔ながらの構造や立地をしていて、どちらかというと「体育館」をアリーナに無理やりイメージ化して存在いるものが多いと言える。
体育館はどちらかと言うと、スポーツを行う為の施設と位置付けられており、場所によっては「土足厳禁」「飲食禁止」などの規定が設けられている。それではなかなかスポーツを楽しむ事すらできないという環境である為、ファンや観客は本来楽しむ為に足を運んでいるのに、入る前に苦労をし、スポーツを充分に楽しむまで至っていないかもしれない。

そんな中でも日本にもアリーナという施設が存在しており、そこでは数々のスポーツイベントや音楽イベントなどが開催され、エンターテイメント性の高さを実現させているのである。2016年にBリーグがスタートし、目的の一つである「スポーツエンターテイメントの実現」に向けた動きが全国各地で盛り上がっている中、既にその要素を充分に備えた施設が日本にも数多く存在しているのだ。
そういう場所に行けば、きっともっとスポーツが好きになる。そして、また再びその場所を訪れたくなる。そんな素敵なアリーナを紹介して行こうと思っている。

ゼビオアリーナ仙台の外観

今回取り上げるのは、杜の都・仙台に存在する「ゼビオアリーナ仙台」
2012年9月に竣工し、アクセスの良さと非常に居心地の良さを追求している日本屈指の室内アリーナである。
JR仙台駅からは一駅先の長町駅から、ゆっくり歩いて徒歩7分。更には仙台市地下鉄でも南北線・長町駅で降りる事もでき、立地の良さは抜群にいい。駅を降りると少し歩ければ重厚感溢れたブラックな色合いに包まれた建物と「ゼビオアリーナ仙台」という文字で、「あそこがゼビオアリーナだ!」とすぐに分かるのである。
長町の街自体が仙台市の再開発地域となっており、アリーナ周辺には病院や様々な大規模な店舗やマンションが存在しており、仙台市中心部に次ぐ賑やかさを誇っている。

仙台89ERSのホームゲーム時の3階から見たアリーナ

アリーナの規模は約4000人と大きくはないが、中に入ると現実から離れた異空間が広がっている。真ん中に吊り下げられたセンターディスプレイや、アリーナをぐるっと覆い混んでいるLEDディスプレイがあり、ゲームの途中経過や様々な演出が流れたり、突如出現したりして、観に来た人たりをワクワクさせる要素が詰まっているのだ。
備え付けられている席も「観る」為の要素がしっかり詰まっており、ずっと座っていても居心地が良く、他のアリーナに比べて席と席の間が少しゆったり目に作られている。隣の人と丁度いい距離感でスポーツを楽しむ事ができる。もちろん飲食だってOK!ビールなどのアルコール類やホットドックなどの食べ物を片手に大声出しながら、スポーツを徹底的に楽しむ環境が備わっている。
演出ということを考えるとLED照明を使用しており、一旦演出で真っ暗になっても直ぐに明かりが復活し、時間を待たずに試合を迎える事ができるという、そういう意味でもスポーツを観る為のアリーナとしての役割をしっかりと果たしている。

そこのアリーナをセカンドフランチャイズにしているのが、Bリーグ1部・東地区に所属している仙台89ERSである。2011年の東日本大震災で甚大な被害を受け、一時はチーム存続の危機も迎えたイエロー軍団。そこからたくさんの支援によって、チームは復活。記念すべきBリーグ初年度をトップカテゴリーの1部で迎えており、激しい戦いをチームは繰り広げている。
何と言ってもホスピタリティの高さがこのチームの特徴だ。アリーナに入る前から多くのボランティアが丁寧にファンを出迎え、来た人たちを笑顔にさせている。更には89ERS後援会という影のサポート組織が存在しており、初めてチームを観に来た人の為に、応援グッズを無料で貸し出したり、冬には寒いからとブランケットまで貸し出すという太っ腹な有難い見方が存在しているのである。

ゲーム前に円陣を組んで士気を高める、仙台89ERSのプレーヤー達

そして、何と言ってもこのチームのマスコットが本当にお茶目で可愛い。いつかはチームに入りたいと日々バスケの練習に励んでいる、背番号89番の「ティナ」だ。誰にでも優しく接し、子ども達に囲まれてもニコニコしながら一緒に遊び、写真にも気軽に応じる心優しいやつなのである。そんな彼には凄い特技がある、それは華麗かつ見事なステップやムーブで観に来たものを魅了するダンスだ。ゼビオアリーナの中心でスポットライトをゲームのインターバルで浴びながら、魅せるダンスをするティナはアリーナに足を運びたくなる一つの理由にもなっている。

仙台89ERSのマスコット「ティナ」

このアリーナを一言でいうと「観るものを魅了するアリーナ」と言っていいであろう。
徹底的に現実とは違う空間を醸し出し、その空間で思い切り楽しんでもらうという工夫が様々な所になされているのだ。
仙台の新しい顔として、そびえ立っている「ゼビオアリーナ仙台」
ぜひ、一度と言わず何度でも足を運んで、その異空間を思う存分楽しんでもらいたい。

駅から降りると、この文字が遠くからでもハッキリと見える

 

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