クラッチシューター”KJ”が考える大一番とポストシーズン 〜 アルバルク東京 #16 松井 啓十郎

  1. インタビュー
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日本人初めて、NCAA(*1)1部でプレーをし、3P成功率No.1にもなった歴史的な日本を代表するクラッチシューター。
更に出身大学は、あの名門”コロンビア大学”
頭脳明晰かつクレバー、更には非常に明るい性格でオープンなナイスガイ。
インタビューにもしっかりとした言葉で答えてくれ、時には場を和ませるジョークなどを交えながら話す姿は非常に好印象である。

アメリカ人よりもアメリカンナイズな日本人。
それが“KJ”こと、アルバルク東京#16 松井 啓十郎なのである。

現在、まだレギュラーシーズン地区優勝が決まっていない大混戦のB1東地区で現在首位・栃木ブレックスとゲーム差2に付けている、2位のアルバルク東京。
しかし、3位の千葉ジェッツとはゲーム差1。
ホームコートアドバンテージを獲得する為、現在絶対に負けられない戦いが続いているのだ。
残りが5ゲームとなった、先週末のアウエーでの仙台89ERS戦。
負けられない戦いが続く中で、4月29日(土)は2Qと3Qで激しいディフェンスで相手のスコアをストップさせての勝利。
翌日の4月30日(日)は前半で大量リードを奪ったものの、3Qで仙台89ERSが攻守において素晴らしいインテンシティ(*2)を発揮し、点差が縮まりクロスゲームになったが、最終的には逆転を許さずに勝利。
2連勝を納めたシリーズとなったのである。
それぞれのゲームで違う反省点が出たと伊藤HCも口にはしたものの、こういうゲームをしっかりものにするというのは強豪・アルバルク東京と言ったところであろうか。

KJ自身は2ゲーム共に13得点を獲得、何と言っても真骨頂の3Pシュートは29日が3/5(60%)、30日が3/4(75%)と素晴らしい確率で勝利に貢献したのである。
プラスして、ゲームの流れを相手に渡したくない時間帯でのビューティフルな軌道を描く3Pを次々と決め、そういう意味合いでもクラッチシューターとしての役割を果たし、ある意味シリーズのMVPと言ってもいい活躍だった。

そんな彼に30日(日)2連勝を収めた後に、にこやかな表情でいつものように現れた彼にゆっくり話を伺った。
このシリーズのゲームの事、これから始まるチャンピオンシップへの道のりの事。
更に何と言っても、5月3日(水)ホームアリーナである国立代々木競技場第二体育館で行われる大一番・栃木ブレックス戦の事。
余すところなく、彼の言葉をそのままお届けしていきたい。

-昨日の反省を活かしてインテンシティ高いバスケットを展開できたと思いますが。
昨日よりも今日の方が出だしが非常に良くて、昨日後半に展開した激しいディフェンスを今日は最初からやろうと意識がみんなにあって。
1Qから4点に相手を抑えることができたし、出てくる選手もスターティングメンバーの頑張っている姿を見たので、それがいい形でずっと伝染して行ったのかなと思いますね。

-今日の方がボールムーブメントも一段と良かったんじゃないかなと思いましたが、二桁得点も5人いましたし。
昨日も良かったけど、今日はピックアンドロールの時に相手が非常にピックの人間に寄ってくれたので。
そこでうまくスペーシングが取れたりとか、結構そこでズレができてきて、いいシュートが結構あったかなと思いますね。
でも、3Pは確率悪かったんですね。意外と決まっていると思っていたけど。
あと昨日の反省点でリバウンドの部分が負けていて、そこを改善できたのも大きかったかな。
昨日の前半、取りこぼしが多くあったり、しっかり取れなかったりがあったけど。
今日はその部分を前半意識して、しっかり取れたら早い展開でスムーズにバスケットができていたのが良かったですね。
後半、相手にオフェンスリバウンドを何回か取られた時にモメンタムを移された感じはありました。

-首位・栃木が負けて相手がM1とは言え、チャンピオンも視野に入ってきたと思いますが。2位死守は絶対命題として。
まだ全然分からないですよね、水曜日直接対決で勝利してゲーム差が並んでも、通算成績で負けているので。
勝っても3勝5敗なので。
栃木さんも流石に水曜日何としてもやって来ると思いますけどね。
ジェフ・ギブスが出ていないとは言え、ホームで2連敗しているから。
でも、今は相手どうこうよりは自分たちが今日みたいなバスケをする必要があるし、今日の後半や終盤入ってミスが多かったりしたのは、栃木さんのような強豪相手には絶対やってはいけないので。
そこに対する意識ですよね。

-チャンピオンシップに向けて、ご自身としてはどう考えていますか。
まだシーズン残り試合があるので、そこでまずはいい形で終わって、チャンピオンシップにいい形で入れる事によって選手自身の気分も変わってきますし。
そして、チャンピオンシップに入ったらやる事は2つずつ勝たないといけないですし。
毎シーズンプレーオフ出ているけど、相手も全然違う雰囲気で戦って来るので。
自分たちは新しい外国人選手も入ってきて、一つにならないといけないなと思いますね。

-チャンピオンシップのレギュレーションについては、どう思いますか。
今回のルールは人生で初めてですよ(笑)
だからこそ、第3戦にできるだけ持ち込まないようにしないといけない。
でも、もしそうなった時にどう切り替えるか?というのは難しいですし。
15〜20分の第3戦に入るインターバルで新しいゲームが始まるんだという意識を持たないといけない。
特に2戦目勝った時はいい勢いでいけると思うんですけど、もし負けた時にマインドをリセットしないといけないので。
まずは初戦をしっかり勝つ事が重要だし、戦っていく事が重要だと思いますね。

-3日の栃木戦は大一番ですが、意気込みを聞かせてください。
恥ずかしい事に栃木さんとは通算成績が2勝5敗と恥ずかしい成績で、更にホームコートでは1回しか勝っていないという形なので。
水曜日はホームアリーナの代々木第二体育館で、GWもあって栃木からも東京からもたくさんのファン・ブースターが集結すると思っています。
そこで勝って東地区2位死守、そして1位になれるチャンスが出て来るので、確実に勝ちたいなと思っています。

ここから始まる初代王者獲得への道。
プレーオフの酸いも甘いも知っているベテランクラッチシューターが流れを変える3Pを決める瞬間が多くなれば、アルバルクが5月27日(土)最後にチャンピオンシップトロフィーを掲げている瞬間に出会える事になるであろう。
彼自身もそのイメージは出来ているはずだ。

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(*1)全米体育協会のこと。アメリカカレッジスポーツの最高峰組織。
(*2)プレーにおける、「強度」や「激しさ」を表現する言葉。

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