「ONE JAPANESE BASKETBALL、バスケットボールを愛している全員の為に。」 FIBA パトリック・バウマン事務総長

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“2014年10月31日”
日本バスケットボール界にとって、歴史上一番のターニングポイントとなる日となるかもしれない。

現状、日本バスケットボール界は世界のバスケットボールを統括しているFIBAからイエローカードを受けている。
10月末までに指摘されている国内男子バスケに関するリーグ統一などの問題に関して、解決策の提示が無い場合は国際大会への出場停止などの制裁が加えられる可能性があるからである。

タイムリミットが近づく中、2014年10月12日(日)宮城県仙台市・ゼビオアリーナ仙台に、一人の重要人物が来日した。
世界のバスケットボールを統括する、FIBAのパトリック・バウマン事務総長。
いわゆる、バスケットボールというスポーツのCOOなのである。
少し違うかもしれないが、この表現が事務総長という役職に関して、一番イメージしてもらえる言葉かもしれない。

2020年東京オリンピックでの正式競技を目指している、3人制のバスケットボール”3×3″
大盛況のうちに終了した、3×3 世界NO.1決定戦 “FIBA 3×3 WORLD TOUR FINAL 2014 in TOKYO/SENDAI” の大会終了後、囲みでの記者会見という形でインタビューを行う事が出来た。

9分間で彼が丁寧に伝えてくれた、語ってくれた、言葉や想いを全てお届けしたい。

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ー今回の3×3 WORLD TOUR FINALを行ってみての手応えは?
今日は少し荒っぽかったんですけど、非常にエキサイティングなゲームだったと思います。

ー2020年の東京オリンピックに向けて、3×3の正式種目追加に向けて、どのような展望を考えていますか?
2010年のユースオリンピックからこのような大会をスタートして、ちょうど今年で10年になるんで、2020年にはこれ以上にもっと盛り上がってくれるんじゃないかな?と感じています。
シンガポールで行ったユースオリンピック、更には2ヶ月前に行った南京でのユースオリンピックで非常にいい大会が行われたと思っています。
ただ、このWORLD TOUR FINALに関しても今回で3回目の開催で、毎年毎年非常に良くなってきていると手応えを感じています。
そして2020年に非常に新しいエキサイティングな競技として、東京オリンピックに持って来れるんじゃないかと。

ー日本の3×3シーンに期待する事はありますか?
今、ゼビオグループさんのご協力を得て、色々なトーナメントやゲームを行っていますし、どんどん日本でも盛んになって、良くなっていくものだと思っています。
この競技はフィジカルな面で5on5よりも有利に働く面はありますが、大事でない競技です。
なので、日本人プレーヤーとしてもチームとしても、世界でも上位に食い込んでいけるんじゃないかというスポーツなので、非常に面白いんじゃないじゃないかと思っています。

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ー日本のバスケットボール界では今、5on5の男子国内リーグも注目を集めている状況ですが、今回の統一に向けたJBAからの草案もご覧になられたと思いますが、どのように感じましたか?
プランは拝見しましたが、プランはあくまでもプランです。
だから今の段階としてFIBAとして、そのプランに対して、そのアイディア集に対して、コメントする事は出来ません。
ただFIBAとしても ”ONE FIBA” というスローガンの元に、上手くバスケットボール普及・発展させる為に一つなろうとしていますし、世界中がそうなっています。
日本も同じように ”ONE JAPANESE BASKETBALL” という事で、一つになって、目的に向かって進んでいってほしいと思っています。
日本のバスケットボールは、まだ一つになっていません。
それをFIBAとしては、ずっと言い続けています。
今も2020年がすぐ間近に迫っていて、今更ですが躊躇する事ない事態になっていると思います。
現状、日本のバスケットボールは一つになっていない。
早くその解決を行って頂きたいと思います。
今、イエローカードを彼らに出している状況です。
(※ここで、胸ポケットからイエローカードを出して、にこやかにコメントしてくれました。)
イエローカードはJBAの為だけに出しているんじゃなくて、バスケットボールを愛している全員の為に出しているんです。
みんな勝手な事を考えるんじゃ無くて、一つのバスケットボールの為に、一つになって考えて進んでいってほしいなと思っています。
企画書を書いて提案するんじゃなくて、どんどん実行していってほしいと。
まずはJBA・bjリーグ・NBLがFIBAに対して、リーグ統合問題だけじゃなく、総合的な提案を出して頂いてから、それをFIBAとして検討して、それからの答えになりますね。

ー今月末の10月末まで提案を受け付けて、検討するのか?そこのタイムスケジュールは?
この件に関しては何度もお話ししていますが、JBAにきちんと仕事をして頂いて、bjリーグとも話をしっかりして解決策を見つけてほしいと思っています。
3×3に関してもマスコミの皆さんがしっかり報道して頂いて、盛んにしてもらって、バスケットボールを応援してほしいと思っています。
このケンカを止めさせる事が出来るのが、報道のみなさん、マスコミのみなさんの役目じゃないかなと。
だから、今回の会見もそういう書き方をして頂きまして、バスケットボールのファンのみなさんのお手伝いを、報道のみなさん、マスコミのみなさんは行って頂きたいですね。

ありがとう、Thank you。

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厳しい表情を見せていたが、時より笑顔も見せながら、非常に想いを伝えてくれたのである。
言葉を乱暴に勢いで伝えるのではなく、一つ一つの言葉を丁寧に、そして分かりやすい内容で伝えてくれたという事も付け加えておきたい。
敵意をむき出しではなく、お願いだからしっかりやってね!という、思いやりのあるメッセージにも捉える事が出来た。

これは親心なのかもしれない。
FIBAにとって、日本バスケットボール界は大切な子であるのでは間違いない。
2020年の東京オリンピック開催が決定されている以上、日本国内での混乱はオリンピック競技開催への影響、更には3×3という新しい競技の追加にも影響は少なからず出てくるであるという認識の元、今回の勧告に至っているであろう。
親も苦渋の決断を、今回は迫られているのである。
このタイミングでの親からの大切なお願いを、子はしっかり受け止めて、答える事ができるのか?

今回こそは、親の言う事を聞かないと大変な事になるであろう。
全ては “バスケットボールを愛している全員の為に。”

この一言に尽きる。

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