シーズン終盤に差し掛かり、プレーオフ進出チームも多く決まり始めた、ターキッシュ エアラインズ bjリーグ2014-2015シーズン。
既にプレーオフ進出を決めたチームと、進出を逃してしまったチームの対戦となった、このカード。
こういうゲームは非常に難しいゲーム展開になると、よく言われている。
ホームの埼玉ブロンコスは、外国人が二人、更にはエースでもある#20ゲイリー・ジョンソン選手に、日本人インサイドの要でもある#24大塚 俊選手が欠場と厳しい台所事情。
それでも下地HCが掲げる、いかにアグレッシブにリングにアタックして、いかにして日本人プレーヤーでゲームを勝つのか?
シーズン終盤であるが、進化が問われるゲームとなった。
一方の滋賀レイクスターズは、プレーオフ一回戦を早くホーム開催を決めたいという思いがある。
更に相手の状況を考えると、しっかり自分たちのディフェンスを実行し、点差を広げてしっかりと勝利を収めたいところ。
チームとしては、いい時と悪い時の流れの差が激しく、そこをプレーオフという厳しい戦いに向けて、改善もしていきたいという中でのゲームとなった。
そして、埼玉ブロンコス#13伊戸 重樹選手にとっては、古巣でもあり、引退後はスクールコーチとして活躍していたチームとの対戦となった。
ゲーム後、「本当に不思議な感じだった。でも、滋賀のブースターも応援してくれたのは嬉しかった。」と率直に話していた。
彼にとっても、思い入れのあるシリーズとなったのを伝えておきたい。
さて、スターティングメンバーを見て、ビックリしたのは思いのほかでもない。
ブロンコスはオール日本人で、このゲームをスタートさせたのである。
HCの日本人プレーヤーで勝ちたいという思いが表れた形となった。
<スターティングメンバー>
■埼玉ブロンコス
#2 原 毅人
#15 桝本 純也
#68 永田 晃司
#30 高田 慶太
#23 佐々木 優希
■滋賀レイクスターズ
#13 小林 遥太
#1 岡田 優
#21 加納 督大
#14 テレンス・ウッドベリー
#4 ジェフリー・パーマー
■1P
序盤からレイクスが猛攻を仕掛け、ペースを掌握していく展開に。
#21加納がオフェンスリバウンドを奪取し、ゴール下で決めていくと、#4パーマーのロングパスから#14ウッドベリーがアーリーオフェンスの形でゴール下で更に得点。
その後もペイントエリアを制圧し、次々と得点を重ねていく。4連続ゴールが決まった瞬間に、ブロンコスがタイムアウトを請求した。
タイムアウト明けからはブロンコスも序盤に自分たちのゲームにしようと落ち着きを見せ、#23佐々木のパスを受けた#30高田が3Pを豪快に沈めて、初めての得点を挙げていく。
#68永田も果敢にリングにアタックを仕掛け、スコアメイクしていった。
残り5分前後からは、レイクス#1岡田がゲームを支配し、得意の3Pや華麗なティアドロップでの得点を見せていけば、更には攻撃の起点となり、チームの中心となる。
点差が二桁となったところで、残り3:19には流れを変えようと再びブロンコスがタイムアウトを請求。
それでも更に点差を広げていく、レイクス。更に#9溝口が9Pを決めていけば、テンポの良いパス回しから#23横江がオープンショットを決めるなど7-25と残り2分で大量リード。
しかし、これで終わらなかったのが1Q、ブロンコスが怒涛の追い上げを見せていく。
#15桝本のパスから#68永田が思い切りのよい3Pを沈めていくと、#32ウィリアムズがファストブレイクから豪快にスラムダンク!
残り2.4秒には#68永田が得意の切れ味鋭いドライブで相手のディフェンスを豪快に切り裂き、レイアップを沈めた。
点差を一桁に詰め、16-25で2Qへ突入していった。
■2P
1P終盤の勢いのまま、ブロンコスがペースを握っていく。
#23佐々木のミドルシュートに、#15桝本の3Pと連続してオフェンスを成功させ、点差がついに4点まで縮まった。
ここで堪らずレイクスがタイムアウトを請求。
これで目が覚めた、レイクス。持ち味の厳しいディフェンスで相手に気持ち良くオフェンスをさせないとし、1Pで活躍した#1岡田が縦横無尽にゲームをコントロールしていく。
自らオープンショットを決めいけば、ゴール下まで切り込み#54ホルムにノールックパス、最後は3Pラインでファールを受けてフリースローをもらい全て決めていく。
この3つのプレーで点差は15点まで一気に広がった。
残り4:50、21-36のスコアでオフィシャルタイムアウトへ突入。
明けはお互いになかなかオフェンスでいい形が作れず、スコアが停滞していく重苦しい展開に。
ブロンコスが#13伊戸→#68永田とテンポよくパスをつなぎ、最後は#2原が豪快にオープンでシュートを沈めていく。
一方のレイクスは、早いタイミングでリングに向かって直線的に攻め込み、次々とフリースローを獲得していった。
15点差前後でスコアが動き、なかなかそこから動かず、2Pは終了。
30-43で後半に突入していった。
■3P
開始早々、ブロンコスがゾーンディフェンスでペースを握ろうとしたが、レイクスが怒涛の攻撃で一気に点差を突き放す。
#4パーマーのパスから#13小林がフリーで3Pを決めていくと、#14ウッドベリーのカットインプレーからのレイアップ、#1岡田と#4パーマーのコンビでアリウープ成功と3連続スコアで点差は一気に20点オーバーに。
ここでこれ以上離されたくないブロンコスが、タイムアウトを請求。
しかし、レイクスの流れは一向に変わらず、前半にはなかったボールマンへの激しいディフェンスプレッシャーで、相手にオフェンスで好きな事を全くさせない。
#1岡田と#4パーマーがオフェンスで躍動し、スコアがどんどん広がっていく。
残り6分半にブロンコスも#32ウィリアムズのペイントエリアでのシュートで、このQ初めての得点。
そのウィリアムズが孤軍奮闘を見せ、ブロンコスのオフェンスを牽引していくが、レイクスの勢いを止めるところまでに至らず、点差は広がっていく。
#0ニクソンが得意のロングレンジからの3Pを決めていけば、#14ウッドベリーはゴール下でも力強さを見せてスコアをあげていく。
終盤、#23横江のパスを受けて、#0ニクソンがこのQで2本目の3Pを沈めて、終了。
37-72とレイクス大量リードで最後の10分間へ進んでいった。
■4P
序盤は連続得点を見せ、点差を広げていくレイクス。
しかし、その後ブロンコスも意地を見せ、アグレッシブにリングにアタックしていくチームストラテジーを実行し、徐々に流れを掴んでいく。
#68永田がスティールをし、#30高田との連携でアーリーオフェンスを決めていくと、#32ウィリアムズも続いて豪快にカットインプレーを見せていく。
最後は#30高田が#15桝本のパスを受けて、3Pを豪快に相手リングに沈めていった。
一気に11点縮めて、オフィシャルタイムアウトに突入。
残り4:43で48-77のスコア。
明けもブロンコスの流れは続いていく。
#32ウィリアムズがオフェンスリバウンドからAND1プレーで会場を盛り上げると、ミドルレンジのシュートも鮮やかに決め、さらに点差を縮めていった。
レイクスも#54ホルムがペイントエリアで持ち味のパワーを見せて、スコアを上げていくが、このQは明らかにブロンコスペースだった。
#68永田も持ち味の力強いドライブを見せ、スコアメイクして行ったりと、このQだけで見ると22-11とダブルスコアでブロンコスがリードした10分間だったのである。
最終的には3Qに広がった点差を逆転するのは難しく、このままゲームエンドとなった。
59-83でレイクスが快勝したゲームとなった。
このゲーム、非常に難しくなるのは両チームともに分かっていただろう。
レイクスはプレーオフに向けて、非常にいい勉強になったかもしれない。
その前に同じウエスタンカンファレンスの強豪チームと対戦が残っていることも考えてみると、ここでしっかりチームのやるべき事がはっきりと見え、それを最初から表現しないと難しいゲームになるという事を感じたはずだ。
いい意味で見つめなおせる機会になったかもしれない。
一方のブロンコスは、下地HCが言う日本人のアグレッシブさが最終4Qには見えたが、点差が縮まった前半にもっと見せていれば、ゲーム展開が変わっていたかもしれない。
そして、相手がアジャストしてきた後半序盤にミスが多くなり、相手のペースにさせてしまった事も悔やまれる。
しかし、非常に厳しいチーム状況の中でも、諦めずにボールを追い続け、ゲームに臨む姿。
これこそがバスケットボールの魅力であり、その事を改めて教えられた40分間にあった。
いかにアグレッシブに最初からプレーをすべきか、その事を考えさせられたゲームとなったのである。
<主なスタッツ>
■埼玉ブロンコス
#15 桝本 純也:4PTS/4REB/4AST
#32 ニカ・ウィリアムズ:23PTS(ゲームハイ)/10REB/3BLK ※ダブルダブル
#68 永田 晃司:15PTS/7REB/4AST/3STL
■滋賀レイクスターズ
#0 レイ・ニクソン:8PTS/5REB
#1 岡田 優:16PTS/5AST
#4 ジェフリー・パーマー:7PTS/5REB/6AST
#9 溝口 秀人:8PTS
#13 小林 遥太:5PTS/4REB/4AST
#14 テレンス・ウッドベリー:15PTS/9REB
#21 加納 督大:8PTS/5REB
#54 クリス・ホルム:8PTS/15REB/2BLK
(PTS:得点、REB:リバウンド、AST:アシスト、STL:スティール、BLK:ブロックショット)
(ダブルダブル:主要なスタッツ2項目で二桁の記録を残すこと。)
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