Playoff進出の最後の一つのイスを掴む為に ~ NBL 千葉ジェッツvs兵庫ストークス2015/3/29

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最後の一つ。
NBLのプレーオフ進出争いは「最後の一つ」のイスを掛けて2チームが戦っている。
どちらもウエスタンカンファレンスのチーム、Mr.バスケットボール”佐古 賢一”HC率いる、広島ドラゴンフライズ。
そして、このシリーズで船橋アリーナにやってきた、ドイツ2部リーグでのコーチ経験もある、若き”上田 康徳”HCが率いる、兵庫ストークス。

プレーオフ進出の最後の一つを掛けて熾烈な争いをしている、追いかける立場の兵庫ストークスが、前シリーズでプレーオフ進出決めた千葉ジェッツのホームに乗り込んできた。
Game1はストークスのバスケットがしっかりと展開され、序盤から大きなリードを奪い、大きな1勝を得たのであった。

最初からいかに自分達のやるべきバスケットボールを展開するのか?これが非常に大切なポイントとなった。
更にゲームの入り方、ここがGame1はポイントとなっただけに集中してハードにプレーができるのかも大きな焦点となったゲームにもなった。

ホームで2連敗だけは避けたい、千葉ジェッツ。
ここで連勝をして、プレーオフ争いで付けられている差を埋めたい、兵庫ストークス。

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ゲーム前のジャンボくんの横顔。

<スターティングメンバー>
■千葉ジェッツ
#11 西村 文男
#27 石井 講祐
#34 小野 龍猛
#25 荒尾 岳
#24 ジャスティン・バレル
■兵庫ストークス
#19 梁川 禎浩
#12 松島 良豪
#9 谷 直樹
#15 根来 新之助
#32 アイザック・バッツ

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Take Off!!!

■1P
稀に見るロースコアの展開でゲームは進んでいった。
お互いがディフェンスへの意識が非常に強く、ディフェンスから自分達の流れを掴もうとしていくのがハッキリと見えたのである。
まずジェッツが#24バレルのゴール下でゲームはスタートしていき、更に#11西村のパスを受けて#34小野が3Pを決めて、流れを掴んだかに見えたが、そこからなかなかスコアができない。
その間にストークス#32バッツがゴール下で奮起し、スコアを重ねていき、点差が縮まっていった。
そこからお互いに全くスコアができない、相手ディフェンスの前にタフショットとなったり、最後のフィニッシュが決まらない形が続き、本当に我慢の展開が続く。
2分間の間スコアが全く動かなかったが、ジェッツ#34小野がスティールからゴール下で確実にシュートを決める。
残り5分で7-3というスコア、その後もディフェンシブな展開が続き、ゲームクロックは進んでいった。
ストークスはインサイドにボールを集めてから、いいセレクションでアウトサイドにパスを捌けず、シュートがリングに嫌われてしまう。
ジェッツも上手くボールをチームでシェアしていくが、肝心のフィニッシュが決まらない。
それでも#0佐藤が2Pを決めていけば、#25荒尾がペイントエリア付近で高さのあるフックシュートを決めて、得点を二桁に。
最終的にストークスは約7分半スコアが出来なかったのである。
11-3で2Pへ進んでいった。

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持ち味のパワーは勿論、ペイントエリア内でのしなやかさを兼ね備えている、兵庫ストークス #32 アイザック・バッツ選手(中央)

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プレーオフ進出の為に、彼の巧みなゲームコントロールは欠かせない。兵庫ストークス #19 梁川 禎浩選手(右)

■2P
序盤はストークスがペースを握り、ゲームが展開されて行った。
#32バッツのパスを受けて#19梁川が3Pを沈めていくと、ここからディフェンスをゾーンに変え、相手オフェンスのリズムを崩す。
その流れに乗り、#13道原がショットクロックギリギリで3Pを豪快に沈めると、更に#32バッツがゴール下で粘りフリースローを獲得。
徐々にではあるが点差を縮めて行ったのであった。
しかし、残り7分を切ってジェッツがインサイドを中心に猛攻を仕掛け、一気に突き放していく。
#24バレルと#5リカートを中心にゲームを展開し、ゴール下のエリアを完全に制圧したのであった。
ストークス#32バッツが早くも3PFとファールトラブルに遭ってしまい、スモールラインナップでのゲーム展開になったのも大きな要因であったであろう。
2分半の間にランニングスコア8-0となり、オフィシャルタイムアウトに突入。
残り4:21で23-10とロースコアではあったが、ダブルスコアと点差は広がっていた。
その後は、お互いに1Pに見せたようなディフェンシブな戦いとなり、がまんの展開に再び突入。
点差が10点前後を行き来し、ゲームクロックは進んで行った。
その中でも両チームの外国人プレーヤー、ジェッツ#23ホーン・ストークス#33ナイトがチームを牽引して行く。
29-19というスコアで後半を迎えるのであった。

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大ベテランの”Billy”こと、兵庫ストークス #33 ウィリアム・ナイト選手(中央)。彼のスコアリングも非常にプレーオフ進出の為には欠かせない。

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この日ディフェンスで非常にいい働きをした、兵庫ストークス #15 根来 新之助選手(フリースローを打っているプレーヤー)。オフェンスでの貢献でも非常に期待したいプレーヤー。

■3P
開始からストークスの集中力が非常に高く、完全にゲームを支配して行った。
早いタイミングでインサイドへボールを入れ、そこからゲームを展開していく。
この策がハマったのであった。
#12松島のパスを受け、#32バッツがゴール下をしっかり決めていくと、ここから怒濤の反撃がスタートした。
インサイドアウトのタイミングが非常に良く、ボールをチームでシェア出来た結果、#32バッツのインサイドアタックが更に活き、プラスして#9谷がオープンショットやアシストと縦横無尽に働き、スコアはどんどん縮まって行った。
そして、勝負所には激しいオールコートプレスディフェンスを見せ、相手のターンオーバーを誘い、更にはスティールに成功したりと自らのディフェンスで流れを掴んだ。
残り6分を切って、点差が5点差まで縮まり、ジェッツがタイムアウトを請求。
それでも、ストークスのプレスディフェンスを崩せず、#15根来のスティールからのレイアップで34-31とついに点差が3点差まで縮まったのである。
更に2Pで功を奏したゾーンディフェンスをここで展開、残り4分を切って#19梁川のスティールから#9谷のレイアップで、ついに2点差!
しかし、残り1分半を切って、ジェッツも黙ってはいなかった。
#34小野のパスを受けて#11西村が華麗に3Pを相手ゴールに沈めていくと、更にはファストブレイクでチームを鼓舞していく。
点差は一気に広がり、45-36のスコアで最後の10分間を迎えたのであった。

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まさしくスラッシャー!ドライブから相手ディフェンスを何度も切り裂き、チームに流れをもたらした、千葉ジェッツ #23 パリス・ホーン選手(左)

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彼のパワームーブとフィジカルの高さはリーグ屈指。フランス1部リーグから日本に帰ってきたプレーヤー。”JB”こと、千葉ジェッツ #24 ジャスティン・バレル選手

■4P
9点差まで広がったゲームを何とか自分達の流れにしたく、ストークスがまずは#33ナイト→#32バッツと繋がり、最後は#19梁川がカットインでレイアップからスタート。
しかし、ここからジェッツが一気にギアチェンジ。
ペイントエリア内で徹底的にリングにアタックし、点差を一気に広げていく。
#5リカートのオフェンスリバウンドからのゴール下に始まり、#23ホーンも同じようなプレーで続いていく。
更には#34小野の高さのあるフックシュートに、#23ホーン得意の切れ味鋭いドライブからのスコアリング。
ディフェンスでも#27石井が相手に対して、素晴らしいプレッシャーを掛けてターンオーバーを誘う。
最後は#7宮永のパスから#34小野の3Pが鮮やかに決まり、残り4:58の所でオフィシャルタイムアウト。
56-40とスコアは一気に広がった。
その後もジェッツの流れは全く止まらない。
#23ホーンがスティールからファストブレイクを決めて行けば、#27石井が連続で3Pを鮮やかに決めていく。
点差は一気に20点以上に広がって行った。
終盤、ストークスも意地を見せてスコアメイクをして行ったが、一度広がった点差は縮まらなかった。

72-48と前日のゲームとは逆の展開で、千葉ジェッツがホームを守ったゲームとなった。

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この日も勝負所での3Pを2連続で華麗に沈め、自身の持ち味で相手の息の根を止めた。千葉ジェッツ #27 石井 講祐選手

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チームのインサイドの大黒柱。ここぞという時のリバウンドやディフェンス、更には高さを活かしたプレーはリーグ屈指。千葉ジェッツ #5 リック・リカート選手(中央)

前日とは違い、ディフェンスからゲームに入り、しっかりと自分達の持ち味でもあるディフェンスからゲームを展開して行ったジェッツ。
特に1Pに関して、相手を3点に抑えたのは非常にゲームの入りとしても素晴らしかったし、最終的にはゲームのキーポイントになったのはディフェンスだった事を考えると、前日の反省からしっかりを課題にアジャストしたと言っていいだろう。
しかし、3Pに追い上げられた際のゲームコントロールという部分では、まだ改善をしないといけない。
相手から強烈なプレッシャーを受けても、自分達の流れでゲームをコントロールして行くのは今後の重要なキーになるかもしれない。

一方のストークス、この日はインサイドアウトのタイミングが良くなく、アウトサイドシュートをなかなか決めきれられず、自分達のやりたい事をオフェンスで出来なかった。
失点が72点だった事を考えると、フロアバランスをもっと良くしていけば、スコアを重ねて行ける可能性は充分にある。
そして、3Pに見せた激しいディフェンスプレッシャーをハーフコートでも見せて行ければ、ロースコアの展開になっても戦えるという自信に繋がるのではないかと考えられる。

このゲームでプレーオフ最後の一枠は”ゲーム差3″で、広島ドラゴンフライズがリード。
4月15日時点でも、この差は変わっていない。
残りゲームは6ゲーム。
熾烈な争いは、最後まで分からない。

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彼のアウトサイドやアグレッシブなプレーはプレーオフ進出には欠かせないだろう。兵庫ストークス #9 谷 直樹選手(右)

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日本人屈指のオールラウンドプレーヤー。チャンピオンシップを掴むために、彼の存在は欠かせない!千葉ジェッツ #34 小野 龍猛選手

<主なスタッツ>
■千葉ジェッツ
#5 リック・リカート:13PTS/9REB
#23 パリス・ホーン:15PTS/9REB/3STL
#24 ジャスティン・バレル:12PTS/5REB
#27 石井 講祐:8PTS
#34 小野 龍猛:11PTS/7REB
■兵庫ストークス
#19 梁川 禎浩:6PTS
#15 根来 新之助:3STL
#32 アイザック・バッツ:21PTS/15REB ※ダブルダブル達成
#33 ウィリアム・ナイト:6PTS/5REB

(PTS:得点、REB:リバウンド、STL:スティール)
(ダブルダブル:主要なスタッツ2項目で二桁の記録を残すこと。)

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千葉ジェッツ OFFICIAL HP
兵庫ストークス OFFICIAL HP

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