ファールトラブルとペイントエリアでの攻防 ~ ターキッシュ エアラインズ bjリーグ 仙台89ERSvs信州ブレイブウォリアーズ 2015/4/18

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プレーオフサバイバル。
レギュラーシーズン残り4ゲームとなった、4月18日(土)
桜満開となり、暖かな陽気に包まれていた、杜の都・宮城県仙台市。
日本の中でも非常にレベルの高い室内アリーナである、ゼビオアリーナ仙台は、熱い男たちの魂とプレーで初夏の陽気に満ちていた。

3シーズンぶりのプレーオフに既に進出が決定したが、是が非でもファーストラウンドをホームコートで開催したい、仙台89ERS。
このゲームを迎えるまで、仙台89ERS・新潟アルビレックスBB・富山グラウジーズと3チームが1ゲーム差の中で、ホームコートでの開催を争う形に。
この日もチームの大黒柱の一人でもある、#41ウェンデル・ホワイトが怪我で欠場。
何と言ってもレギュラーシーズン・ホーム最終シリーズ、絶対に負けられない戦いでもあった。

一方の信州ブレイブウォリアーズ、ここに来てエースでもある#9パトリック・サンダースが怪我でチーム帯同が出来ない状況。
更には#34モハメド・アブカーも怪我を抱える状況であるが、このシリーズ、本人の強い意志とチーム全体でケアを行い、何とか出場に間に合わせた。
昨シーズンとは違い、なかなか勝利を上手く掴むことが出来ず、現在8位の状況でのLAST 4 GAMES。
プレーオフ進出争いで、福島ファイヤーボンズ・信州ブレイブウォリアーズ・群馬クレインサンダーズの3チームが残り2つのイスを1ゲーム差で争うというサバイバルの真っただ中。
翌週レギュラーシーズン最終週に、福島ファイヤーボンズとの直接対決があるだけに、このシリーズでアドバンテージを付けたい思惑があった。

理由が違えど、両チームの果たしたい思いが真正面からぶつかったゲームとなった。

仙台89ERSと言ったら、彼を忘れてはいけません。#89 ティナです!カメラに気づいて、さりげなく手を振ってくれました。

仙台89ERSと言ったら、彼を忘れてはいけません。#89 ティナです!カメラに気づいて、さりげなく手を振ってくれました。

<スターティングメンバー>
■仙台89ERS
#4 志村 雄彦
#14 佐藤 文哉
#6 菊池 真人
#1 ケジュアン・ジョンソン
#0 ジェラル・デービス
■信州ブレイブウォリアーズ
#6 齋藤 崇人
#13 俊野 達彦
#25 仲西 翔自
#45 鹿野 洵生
#7 デボーン・ワシントン

TIP OFF!!!

TIP OFF!!!

■1P
序盤からホームのナイナーズがオフェンスでのフロアバランスを巧みに使い、ペースを握っていく。
ウォリアーズ#6齋藤がゴール下でスコアを決めチームを牽引し、スタートして行くが、ナイナーズ#4志村のスティールからのアーリーオフェンスで#1ジョンソンがファールを受けて、フリースローを得る。
そして、そのジョンソンのパスを受けて#14佐藤が持ち味のクイックモーションから3Pを鮮やかに決めていくと、今度はインサイドで#0デービスが奮起し、ペイントエリア外からの2Pに、216㎝の高さを活かしたゴール下でのシュート。
#1ジョンソンの3Pも決まり、3分間で11‐5というスコア。
中盤の時間帯もナイナーズがペースを握り、ゲームクロックが進んで行った。
#1ジョンソンのドライブに加え、#6菊池→#4志村と繋がって最後は#14佐藤が豪快に3Pを沈めて行った。
一方のウォリアーズは、なかなかアウトサイドのシュートが決まらず、インサイドで起点が作れない。
そんな中でも#6齋藤が奮起し、スコアにゲームコントロールとチームの流れを切らさないとプレーして行った。
残り5分を切って、ナイナーズ#6菊池がゴール下で奮起し、タフな状況でもスコアをしっかり上げ、更にリードを広げていく。
残り3分を切り、点差が10点まで広がって行ったが、そこからは一進一退の攻防となり、お互いに我慢を強いられる展開に。
怪我を押して出場したウォリアーズ#34アブカーがチームを牽引し、チームに流れを引き寄せようとしたが、早い展開での持ち味のバスケットが機能せず、なかなか差を縮められなかった。
最終的には27‐16で1Qを終了した。

ドライブを仕掛ける、仙台89ERS #1 ケジュアン・ジョンソン選手。この日も大活躍を見せた。

ドライブを仕掛ける、仙台89ERS #1 ケジュアン・ジョンソン選手。この日も大活躍を見せた。

リングに対してアタックを仕掛ける、仙台89ERS #44 エイドリアン・モス選手。NCAAトーナメントのチャンピオンにもなった、勝利のメンタリティを兼ね備えるプレーヤー。

リングにアタックを仕掛ける、仙台89ERS #44 エイドリアン・モス選手。NCAAトーナメントのチャンピオンにもなった、勝利のメンタリティを兼ね備えるプレーヤー。

■2P
お互いに譲らず、時間が進んで行った。
序盤はウォリアーズが攻勢を掛け、#23ジェニングスのゴール下での活躍で点差を縮めていく。
更にナイナーズの#0デービスが3PFとファールトラブルになり、ペースを掴むチャンスがやってきた。
それでもナイナーズは要所でスコアを重ね、10点差前後で進んでいくゲーム展開。
そんな中でウォリアーズが簡単なターンオーバーを犯してしまい、残り7:36で修正をするためにタイムアウトを請求。
我慢の展開が続く中、ウォリアーズは#34アブカーが奮闘し、チームを鼓舞して行く。
ミドルシュートにゴール下とオールラウンダーな活躍を見せる活躍。
一方のナイナーズも#11和田がスコアにアシストとチームを牽引、残り4:58で35-24と1Q終了時と同じ点差でオフィシャルタイムアウト。
その後は両チームのディフェンスが機能し、相手にスコアを与えないというシビアな展開になっていく。
ウォリアーズ#34アブカーがこの時間帯でも攻守両面に活躍していけば、点差が縮められて流れがウォリアーズに傾きそうな時にナイナーズ#44モスがペイントエリアで体を張り、相手に流れを完全に渡さない。
最終的にウォリアーズ#34アブカーは、このQだけで11PTSと大活躍。
42-34と点差を一桁に縮めて、ハーフハイムに突入して行った。

クイックモーションからのアウトサイドシュートは日本屈指と言ってもいい。仙台89ERS #14 佐藤 文哉選手。

クイックモーションからのアウトサイドシュートは日本屈指と言ってもいい。仙台89ERS #14 佐藤 文哉選手。

相手ディフェンスを懸命に掻い潜る、仙台89ERS #6 菊池 真人選手。彼の急成長はチームに大きな力をもたらしている。

相手ディフェンスを懸命に掻い潜る、仙台89ERS #6 菊池 真人選手。彼の急成長はチームに大きな力をもたらしている。

■3P
序盤から一気にウォリアーズが攻勢を掛け、みるみるうちに点差が縮まって行った。
#45鹿野のパスを受けて#25仲西が豪快に3Pを決めていくと、#6齋藤→#45鹿野と繋がって最後は#34アブカーがカットインからレイアップ!
チームでボールを上手くシェアし、一気に3点差まで点差を縮めて行った。
それでもナイナーズも#14佐藤が3P、更には#1ジョンソンが見事なドライブでフィニッシュを決め、点差を再び戻していく。
しかし残り8分からウォリアーズの怒濤の猛攻がスタート!自分達の持ち味でもある、早いトランジションのバスケットボールを繰り広げ、ディフェンスでもインサイドにダブルチームを積極的に仕掛け、これが功を奏して行った。
#45鹿野が3Pを#6齋藤からのパスで沈めて行けば、今度は#34アブカーがミドルをしっかり決めていく。
#23ジェニングスがゴール下で奮起して行けば、#45鹿野がミドルシュートを落ち着いて決めて、インサイドとアウトサイドのオフェンスでのバランスが非常に良くなっていった。
4分間の間で5-10とランニングスコアで相手を圧倒したウォリアーズ、52-52の同点まで持って行く。
しかし、この4分間で#7ワシントンと#23ジェニングスが4PFとなってしまい、インサイドでの主導権を失うというリスクを背負ってしまう。
それでもリスクを背負って、外国人1人になっても懸命にディフェンスを仕掛けて行った事が功を奏し、相手に流れを渡さない。
その間にナイナーズ#0デービスも4PFとなり、両チームインサイドにファールトラブルという重いものが圧し掛かっていく。
ナイナーズは#1ジョンソンがオフェンスで奮闘するも、相手の方が勝っていた状況だった。
更にお互いの気持ちが真正面からぶつかり合い、フィジカルなプレーが多くなり、コールに対して苛立つ場面も多くなってくる。
#34アブカーに#45鹿野の活躍がコート上に顕著になり、残り2分で57-65とウォリアーズが今度は8点差を付けていく。
それでもナイナーズは落ち着いて、リングに果敢にアタックし、フリースローを獲得。
しっかり決め行き、61-67と点差を縮めて、最後の10分間に突入して行った。

彼のアウトサイドシュートが決まり始めるとチームは一気に勢いづく。信州ブレイブウォリアーズ #25 仲西 翔自選手。

彼のアウトサイドシュートが決まり始めるとチームは一気に勢いづく。信州ブレイブウォリアーズ #25 仲西 翔自選手。

チームの核であり、彼の復帰は非常にチームにとっては大きい。信州ブレイブウォリアーズ #34 モハメド・アブカー選手。

チームの核であり、彼の復帰は非常にチームにとっては大きい。信州ブレイブウォリアーズ #34 モハメド・アブカー選手。

■4P
ここで目が覚めたのか?ナイナーズ。
3Qと流れとは一変、ついにイエロー軍団が牙を剥いて、ウォリアーズに襲い掛かったのであった。
キーポイントはリバウンドとペイントエリア。
外国人プレーヤーを中心に次々とオフェンスリバウンドを奪い、スコアに繋げていく。
特に#44モスがパワーを活かして、ペイントエリア内を制圧!オフェンスリバウンドからゴール下でのシュートでAND1プレーを連発。
更には得点王の#1ジョンソンもこの流れに乗り、次々とファールを貰い、フリースローを沈めていく。
そうなると相手もファールをしてでも止めに行くという流れになって行ったのである、それが一気にゲームの流れを変えた。
ウォリアーズ#7ワシントンが、残り6分手前でファールアウトとなり、恐れていたことが早い時間帯で起こってしまう。
60秒タイムアウトを取って落ち着かせようとしたが、更に悪い流れは続いてしまう。
#23ジェニングスも次のプレーでファールを犯してしまい、続けざまにインサイドプレーヤーがファールアウトとなった、ウォリアーズ。
その隙を逃さず、ナイナーズは一気にインサイドを中心にゲームを展開して、点差を広げて行った。
残り4:50、77-69でオフィシャルタイムアウト。
その後、これ以上突き放されないと#24鈴木のパスから#34アブカーが3Pを沈め、更には#25仲西もアウトサイドをテンポよく沈めて、点差を縮めていくウォリアーズ。
そこからはお互い、3Pシュートの応酬になり、やられたらやり返す!という展開となる。
#4志村のアシストから#1ジョンソンがポンポンと3Pを2連続決めて行けば、ウォリアーズも素早いパス回しから#24鈴木が3Pを豪快に沈め、どっちも譲らない。
しかし残り1分半を切った時に起こった、一つのスティールが全てを決めた。
ボールプレッシャーからナイナーズ#1ジョンソンが華麗にボールを奪う。
残り50秒でウォリアーズがタイムアウトを請求、その後のチームのナンバープレーで#25仲西が得意の3P!
すぐさまファールゲームを仕掛け、チャンスを伺うウォリアーズ。
しかし、ナイナーズは貰ったフリースローを確実に沈め、相手の追い上げを阻止した。

激しい戦いとなった40分間は、93-83と仙台89ERSが勝利を収めたゲームとなった。

チームの司令塔で、ゲームw読む力は非常に高い。チームの支柱でもある、信州ブレイブウォリアーズ #6 齋藤 崇人選手。

チームの司令塔で、ゲームを読む力は非常に高い。チームの支柱でもある、信州ブレイブウォリアーズ #6 齋藤 崇人選手。

フリースローを打つ、信州ブレイブウォリアーズ #45 鹿野 洵生選手。苦悩の末にバスケットを続けると決断した男が、プレーオフ進出のための大きな鍵となる事は間違いない。

フリースローを打つ、信州ブレイブウォリアーズ #45 鹿野 洵生選手。苦悩の末にバスケットを続けると決断した男が、プレーオフ進出のための大きな鍵となる事は間違いない。

何と言っても、ポイントになったのはファールトラブル。
お互いに前半のうちにインサイドのプレーヤーが3PFとなり、我慢しなければならなかったのは間違いなかったであろう。

ウォリアーズの2人がファールアウトとなってしまった時間帯は、相手の猛攻を上手く凌ぎ、チャンスを伺う為に我慢しなければならなかった。
連続してファールアウトになってしまったのは、チームとしても誤算であっただろう。
そこからナイナーズにインサイドのスペースを上手く使われて、リバウンドでも主導権を握られてしまった。
しかし、ウォリアーズの日本人プレーヤーがオフェンス・ディフェンス共にアグレッシブに戦い、勝てるチャンスがいっぱいあった事は、良い材料となったには間違い無かった事も言えたゲームだった。

ナイナーズは何とか勝ち切ったという印象が少し残ったゲームだった。
日本人プレーヤーのオフェンスでの貢献や、相手のアグレッシブさに3Qは特に少し受け身になってしまったのは反省点であろう。
それでもしっかり勝ち切るという事は、この順位にいる証拠でもある。
日本人のアグレッシブさを出せば、より強さが際立つのではないか?と感じたのであった。

翌日のゲームへお互いに課題点がハッキリしたGAME1の40分間となった。

仙台89ERSと言ったら、もう一人忘れてはいけない。アリーナMCの山陰 ヒーロ。彼がこのシリーズでイエローコートに帰ってきた!

仙台89ERSと言ったら、もう一人忘れてはいけない。アリーナMCの山陰 ヒーロ。彼がこのシリーズでイエローコートに帰ってきた!

プライドを掛けた激しい戦い、エキサイティングする場面も多くあった。

プライドを掛けた激しい戦い、エキサイティングする場面も多くあった。

<主なスタッツ>
■仙台89ERS
#0 ジェラル・デービス:12PTS
#1 ケジュアン・ジョンソン:35PTS/16REB/3STL ※ダブルダブル達成
#4 志村 雄彦:5PTS/4AST
#14 佐藤 文哉:14PTS
#44 エイドリアン・モス:18PTS/14REB/4AST ※ダブルダブル達成

■信州ブレイブウォリアーズ
#6 齋藤 崇人:13PTS
#7 デボーン・ワシントン:11REB
#25 仲西 翔自:17PTS/6REB
#34 モハメド・アブカー:31PTS/6REB
#45 鹿野 洵生:11PTS/4AST

(PTS:得点、REB:リバウンド、AST:アシスト、STL:スティール)
(ダブルダブル:主要なスタッツ2項目で二桁の記録を残すこと。)

最後は #89 ティナくんの勇姿でお別れです。

最後は #89 ティナくんの勇姿でお別れです。

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