動き出した日本バスケの新しい道 〜 JAPAN 2024 TASKFORCE 記者会見 2015/3/25 (Part2)

  1. コラム
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3回目のタスクフォース会議、統一リーグに関する各チームへの説明会を経て、2015年3月25日(水)17:00すぎ、東京都内某所で開催された記者会見。
壇上には、陣頭指揮を取っている川淵 三郎 チェアマン、FIBAのセントラルボードメンバーでもあるインゴ・ヴァイス チェアマン、そして弁護士でもあり今回のタスクフォースメンバーでもある境田 正樹 氏の3名が登壇した。

前回お届けしたPart1の内容はこちら。
JAPAN 2024 TASKFORCE 記者会見 2015/3/25 (Part1)

引き続き、全文ノーカットで、Part2として続きをお届けしていきたい。

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-2010年頃にFIBAから二つのリーグが指摘された頃に、FIBAとしてクラブ選手権みたいなものを作っているというような話が持ち上がったと思うんですけど、FIBAとして何かクラブとして現状がネックになると思うんですけど、このような世界的な動きを具体的になにか考えているのか。もう一つは7月のユニバーシアードがFISUの管轄なのか分からないのですが、出場ができるのかできないのか伺いたいです。

(ヴァイスチェアマン)
最初の質問の事ですが、過去は過去の事でございまして、今後新しいリーグを設立する事なので、後ろ向きな内容の事に関しましては、ここでは発言は控えさせて頂きたいと思います。
もっと新しいリーグが立ち上がります、みなさんお手元には概要があるかと思いますので、今後それに対して15年・16年・17年と、どのようにしてリーグを立ち上げていくかという事が一番重要な問題でありまして、そこに1部・2部・3部というものができるわけです。
FISUとFIBAの関係なんですけど、我々は協定を結んでおりまして、これはIOCとFIBAとの関係と類似しているとイメージしていただければと思います。
それで現時点の段階ではユニバーシアードも含めて、出場停止となっていますけれども、川淵さんとかとも話をしましたけど、7月向けて良い方向に解決して進んで行くのではないかと思っております。
(※FISU:国際大学スポーツ連盟。大学スポーツを統括する国際組織で、本部はベルギーのブリュッセル。ユニバーシアードや世界大学選手権の運営を司る組織。)

 

-先ほどの一つ目の質問なのですが、誤解をしているかもしれないですが、この統一リーグができることによって、FIBAとしてサッカーで言うチャンピオンズリーグみたいなグローバル展開を用意されているのかどうか、そのような計画があるのかどうかお伺いしたいです。

(ヴァイスチェアマン)
FIBAとしてもグローバル展開も含めて色々と考えておりまして、世界選手権(ワールドカップ)というものが存在しております。2006年に日本でも開催されましたけれども、2010年にはトルコ、今度2019年のは6月に開催地が決定されます。
イメージとしてはサッカーと同じようにクラブチームとしてというニュアンスですかね、今のところは我々として、そのようなことに関しては考えておりません。

 

-1部と2部の入れ替えに関してですが、今の段階でまだハッキリしていないかと思いますが、仮に1部のチームが12〜14チームでスタートして、初年度から入れ替え戦を行うとした場合に、2部の1位のチームが勝ったとしても本拠地アリーナが3000人規模のアリーナで5000人規模を当面用意できないという場合には、1部には昇格できないという理解で宜しいでしょうか。

(川淵チェアマン)
それで結構です。

 

-先ほどの青森の社長の話とも被るんですけど、バスケ界の方々はホームアリーナを固定するメリットを充分に分かってらっしゃらないだろうと思いますけれども、そのホームアリーナを固定して運営をしていくというメリットを、どうお考えなのだろうか。

(川淵チェアマン)
敢えて何回も話しているから、いちいち説明できないよ。
だってホームって自分の家でしょ。
そのアリーナに来たら、自分の家に来た、自分ホームのチームに応援に来たとか、そういう感じを醸し出すのがホームアリーナだから、そんなのが無くて固定的な観客動員なんて出来っこないですよ。
そういう事をみんなが分からないっていうのであれば、プロバスケットボールリーグなんて成立しませんね。
それしか言いようがない、それが答えです。

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-メディアの露出というところを何度もお話しされていますが、取材する側から申し上げますと、新リーグとしてもメディアレギュレーションを作られると思いますが、現状をお話ししますと、チームによって取材に協力的ではないところが実際あります。例えば、試合終わった後にミーティングが長くて、我々が待っていた。でも、すぐに移動しなくてはいけないから帰ってしまったということが現実にあります。例えば、NBAに関しては試合終了10分後にはコーチの会見・取材が始まり、15〜30分以内はロッカールームに行き、選手に取材していいとなっています。新リーグに関しては、一応一定の時間を作ってメディアアクセスを作るということは考えていらっしゃるのでしょうか。

(川淵チェアマン)
それは非常に申し訳ないですね。
リーグの責任者じゃ自分はないけれど、そういうことをできないリーグだから、なかなか報道してもらえないんですよ。
やっぱり一番大事なのはファンなんだけど、記者の人をどうちゃんとして対応するか、それが自分たちのところに返ってくるわけですよ。
だから今回アリーナの中に記者席をどれくらい設けるんだというところまで決めていないんだけど、そういう事は絶対に含めないといけないんだよね。
一番はじめに記者席を、いくつ準備するのか、そういうことは今までやってきていますかね。分からないんだけど。
そういう事を配慮していないんじゃないかと思うんだけど、配慮していたら申し訳ない。
やっぱり一番大事なのは、記者の取材に対して、どうちゃんとした対応をするのか。
Jリーグを始めて、最初にそういうところがダメなチームが何個かあって、厳しく糾弾して、しっかりはじめに指導しました。
そういった意味ではしっかりやっていきます。
来シーズンの始まる今年の10月からは、記者に対しての対応を各チームには要求していきます。

(ヴァイスチェアマン)
私にとってはこれは歓迎すべき質問でありますので、補足させてください。
プロリーグというのはチームが勝とうが負けようが、ちゃんとプレスに対応するという事が一番の前提にあると思います。
しかしこのプレスとの協力関係が為されていないというプロとしてあるまじき対応なんですけど、これは日本に特化していることだけではなくて、世界各国において同じような傾向が見られると考えております。
ですので、規定として定めて、選手やコーチがメディア対応とかに関するワークショップを開催することによって、メディアとの付き合いをどのようにすべきなのかということを教えていく必要があるかと思います。
今後私の方で皆さんに対して全て協力できるということはお約束できないんですけど、しかし今後は改善されていくかと思います。

(川淵チェアマン)
それは約束しますよ。

 

ー実は今日NBLは全国各地でゲームがあり、さらに週末はbjリーグもプレーオフを掛けたゲームが開催されます。私は現場に行くと、ファンや選手・関係者からも「バスケ界の新しい形はできているけれども、どうなるのか分からない。」という声や「不安だ。」という声を聞きます。今日この案を見させていただきまして、私自身は今後のバスケットボールの未来は明るいと思っております。ぜひ、お二人からファンや関係者に向けて「今後は行けるぞ。」というような明るいメッセージを頂けるのであれば、非常に嬉しいなと思っております。

(川淵チェアマン)
ファンあってのプロスポーツなんだから、ファンの皆さんは応援してくれていることで初めて、チームを盛り上がるし。
そして、その中で日本代表に選ばれたいと思う選手がいっぱい出てくるなら、それが子どもたちの夢にも繋がるんですよね。
ぜひ、みなさん。
ホームアリーナに来て頂いて、そのチームを全力で応援していただけることを、心から願っております。

(ヴァイスチェアマン)
このようなステートメントをいただき、ありがとうございます。
私は川淵さんと全く意見でございまして、実を申し上げますと今晩ゲームを見に行く予定となっておりまして、これは日本のバスケットボールに未来がなければ、このようなことはしないですし、私自身がバスケットボールに関心がなければ、実際にゲームを見に行くこともないでしょう。
私、今回に合わせて来日していますけれども、これが最後ではありません。
今後も月一ペースで日本に来日します。
こうやって話題になりましたけれども、プレスへの透明性ということで、今回我々がこのような場を持つことによって、プロらしくみなさんに透明に何を話したのかをお伝えしていきたいと考えておりますので。
我々の今回のことを行動の規範として、各チームにも我々を規範としていってもらえたらと思います。

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(Part3:最終回に続く。)

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