アグレッシブさが勝因を分けるゲームに 〜 浜松・東三河フェニックス vs 高松ファイブアローズ 2015.10.3

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いよいよスタートした、ラストシーズン。
ターキッシュ エアラインズ bjリーグ 2015-2016シーズン

2015.10.3(sat)、東京を朝7時に出て向かったのは愛知県豊橋市。
10月に入っていたが、当日はグングン気温が上がり、残暑を思わせる陽気となった。
昨シーズンの王者がどのようにシーズンインを迎えるのか、そして新生となったチームがどのようなバスケットを展開するのか。

2015.10.3(sat):愛知県豊橋市・豊橋市総合体育館
ターキッシュ エアラインズ bjリーグ 2015-2016シーズン Opening WEEK
浜松・東三河フェニックス vs 高松ファイブアローズ

ゲーム前、チャンピオンシップを獲得したものだけが味わえる”チャンピオンリング贈呈式”が行われて会場のムードは非常に高揚感のある感じであった。

チャンピオンシップを掴んだものだけに与えられる称号 〜 浜松・東三河フェニックス チャンピオンリング贈呈式

連覇への期待感が充満した中でのラストシーズンとなった、ホームであるフェニックス。
逆にチームカラーを一新し、新しいスタイルでアップセットを狙うファイブアローズ。
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☆スターティング5☆
■浜松・東三河フェニックス
#1 大石 慎之介
#47 並里 祐
#11 岡田 慎吾
#35 テレンス・ウッドベリー
#2 レジー・ウォーレン
■高松ファイブアローズ
#22 鈴木 正晃
#24 山下 和樹
#11 菊池 宏之
#6 ニノ・ジョンソン
#1 アンソニー・ケント 
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■1Q
序盤はシーズン開幕戦もあってか、お互いに重い感じのゲーム展開で進んでいった。
なかなかミドルレンジのシュートが入らずに我慢の展開が続き、どちらがペースを握るのかという部分にフォーカスが当てられているようだった。
そんなゲーム展開の中で残り6分を切ってペースを握ったのは、アローズだった。
二人のガードが果敢にゴールにアタックし、スコアを重ねていく。
その二人とは、#22鈴木と#24山下だった。
鈴木のパスを受けて、山下がドライブでフィニッシュを決めていくと、続けざまにミドルシュートを決めて、チームを盛り上げていった。
今度は鈴木が得意の鋭いドライブから得点を決めていけば、更にはゴール下でルーズボールを奪い取り、そのままシュートを決めていく。
フェニックスがオフェンスでリズムを掴めないうちに、残り3:41で10-17とリードを広げていくアローズ。
残り3分を切って、フェニックスも反撃していく。
#24スプルールが強引にドライブでフィニッシュを決めていくが、その後がなかなか続かずに単発での反撃となっていた。
一方、アローズの#24を身に纏う山下の流れは全く止まらない。
終盤になってもスピード感溢れるドライブにファストブレイクからのフィニッシュとコートを縦横無尽に走り回り、この10分間の主役となる。
16-21のスコアで2Qへ突入していく。
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■2Q
ゲーム展開は、1Qに続いて重い感じでスタートしていった。
オフェンスのフィニッシュの精度が高くなく、ロースコアでの展開でクロックが進んで行く。
それでも残り7分に流れを変えようとフェニックスがバックコートからプレッシャーを掛けていくと、流れは徐々にフェニックスへ傾いていった。
スプルールがアグレッシブにアタックを仕掛け、スペースができれば正確なミドルシュートでスコアを重ねていく。
更に#1大石もオフェンスの主役となり、ドライブや3Pシュートでアローズを一気に追い上げていった。
オフィシャルタイムアウト明け、すぐのプレーでフェニックスが30-29と逆転を見せたのであった。
しかし、そのプレーを境に両チームのスコアが突如としてストップしていく。
オフェンスがなかなかうまくいかない中でディフェンスに注力が注がれていく事によって、ゲーム展開は更に硬くなっていった。
残り2:18にはアローズが流れを変えようとタイムアウトを請求。
ディフェンスでまずはイニシアティブを取りたい、そういう思いが伝わってくるような感じであったのは間違いない。
アローズの両外国人が最後の最後でブロックショットを連発し、水際で相手のオフェンスを止めていく。
会場ではどよめきが沸いた瞬間だった。
そのプレーをきっかけに終盤はアローズがゲームのイニシアティブを握る。
#11菊池のスティールから#1ケントがゴール下でシュートをねじ込んでいくと、彼は残り29秒にも同じようなプレーでチームを鼓舞していく。
32-33、終盤アローズが再度逆転して後半を迎える事になった。
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■3Q
序盤はフェニックスのペースで進んでいった。
#35ウッドベリーの3Pを豪快に沈めていくと、今度はカットインからのレイアップで2連続フィニッシュ。
更には#73田渡→ウッドベリーとテンポ良く繋がったパスは、大石の元に渡り、しっかり3Pを沈めていくと会場内は大きな歓声で包まれていった。
このままフェニックスがペースを握るかに思われたが、ここでアローズが両外国人にボールを持たせる機会を多くし、ペイントエリアでイニシアティブを握っていく。
こうなって行くと前半から好調だったゴール下が活きて行く。
ケントのAND1プレーに続き、日本人がアウトサイドでオープンになると菊池が豪快に3Pを沈めていく。
今度は#6ジョンソンがペイントエリアを制圧、オフェンスリバウンドからのフィニッシュを2本連続で沈めていくと、ここでディフェンスをゾーンに変え、一気に攻守ともに攻勢に出る。
これが功を奏し、フェニックスにタフショットを打たせ、スコアをさせない。
フェニックスのスコアは6分間も止まったのであった。
その間にアローズの両外国人が躍動し、点差が残り3分で二桁に広がっていく。
残り2:46の所でフェニックスがタイムアウトを請求、スコアは39-50となっていた。
タイムアウト明け、フェニックスもこれ以上引き離されないとリバウンドの部分にフォーカスを置き、そこからの得点で応戦。
しかし、流れはアローズのままで終盤もクロックが進んで行く。
そして、ラストプレーにこのゲームを象徴するBig Playが飛び出したのであった。
残り5秒を切った中で鈴木がボールを持つと一気に持ち味の一つであるスピードでボールを運んでいく。
ハーフライン付近から放ったシュートがブザーと共に鮮やかにリングに吸い込まれていった。
ブザービーター3Pでアローズファミリーは雄叫びをあげ、43-59と16点リードで最後の10分間を迎える事になったのである。
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■4Q
そして迎えた運命のラスト10分間。
まずはフェニックスのウッドベリーが#2ウォーレンのパスをカットインで受けて、レイアップで華麗にリングにシュートを沈めていく。
それでもアローズの両外国人のリズムは狂わなかった。
その後、ペイントエリアで2連続フィニッシュを決めていく。
更に点差が広がった、残り7:30でフェニックスがタイムアウトを請求。
これが昨シーズンの王者に火をつけた格好となったのは間違いない、激しいディフェンスで相手のオフェンスリズムを狂わせていくと、オフェンスではスプルールが得意のドライブプレーで次々とスコアメイクしていった。
ジリジリと詰まる点差、残り5:27でアローズが今度は堪らずタイムアウトを請求していく展開となった。
スコアは53-65。
タイムアウト明け、フェニックスが再びプレスディフェンスを前から仕掛けていくと相手のショットクロックヴァイオレーションを誘い、そのタイミングでオフィシャルタイムアウトを迎えた。
昨シーズン王者に流れが行くかに見えた、タイムアウト明け。
ここで再びアローズのBig Playが飛び出す、#33楯が一人で相手ディフェンスを切り裂き、見事にフィニッシュを決めていく。
すぐさまタイムアウトを請求した、フェニックス。
もうこれ以上の得点は許せなかった、そこでON FIREしたのがスプルール。
ドライブではなく、残り3分を切って飛び出した2連続3Pで60-67と一気に詰まった。
今度はアローズがタイムアウトを請求し、相手の流れを止めに掛かった。
しかし、フェニックスの流れは止まらないのである。
ウォーレンがファストブレイクで見事にフィニッシュを決めきると点差はついに5点となり、射程圏内に。
時間は残り1:17と、まだあった。
追い詰められたかに見えたアローズであったが、残り47秒でこのゲームの主役でもある山下が、持ち味のドライブからのフィニッシュで点差は8点に広がっていく。
これでゲームが決まった、67-74で昨シーズン王者からアップセットという形で新生ファイブアローズがシーズン初戦を白星で飾ったゲームとなったのである。
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序盤からアグレッシブに昨シーズンの王者に向かっていったアローズ。
それが先制パンチといった形になり、王者を追い詰めた事には変わりなかったであろう。
鈴木と山下の日本人ガードの二人が前半は躍動し、後半はケントとジョンソンの両外国人がペイントエリアを制圧していった。
新しいアローズの形が開幕戦にして垣間見れたゲームだったのは革新的に言える。

一方の昨シーズン王者である、フェニックス。
またチームとして意思統一が上手くできておらず、持ち味である緻密で細かいチームバスケットがこのゲームでは見られなかった印象だった。
個人でゲーム状態を打開する場面が多く見え、良さが消えてしまっているゲームだった事は間違いないであろう。
更にアローズの新しいバスケットに対して、受け身になってしまったのも敗因。
自分たちから仕掛けていけば、非常に良いバスケットを展開できるだけに開幕戦でいい薬となったであろう。

<主なスタッツ>
■浜松・東三河フェニックス
#1 大石 慎之介:15PTS/5REB
#2 レジー・ウォーレン:8PTS/17REB/4AST/3STL
#11 岡田慎吾:6REB
#24 アディソン・スプルール:24PTS/3AST
#35 テレンス・ウッドベリー:10PTS/7REB/4AST

■高松ファイブアローズ
#1 アンソニー・ケント:16PTS/10REB(ダブルダブル)
#6 ニノ・ジョンソン:17PTS/16REB/4STL(ダブルダブル)
#11 菊池 宏之:8PTS
#22 鈴木 正晃:18PTS
#24 山下 和樹:10PTS/6REB

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