動き出した日本バスケの新しい道 〜 JAPAN 2024 TASKFORCE 記者会見 2015/3/25 (Part3:最終回)

  1. コラム
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3回目のタスクフォース会議、統一リーグに関する各チームへの説明会を経て、2015年3月25日(水)17:00すぎ、東京都内某所で開催された記者会見。
壇上には、陣頭指揮を取っている川淵 三郎 チェアマン、FIBAのセントラルボードメンバーでもあるインゴ・ヴァイス チェアマン、そして弁護士でもあり今回のタスクフォースメンバーでもある境田 正樹 氏の3名が登壇した。

前回までにお届けした、Part1とPart2の内容はこちら。
JAPAN 2024 TASKFORCE 記者会見 2015/3/25 (Part1)
JAPAN 2024 TASKFORCE 記者会見 2015/3/25 (Part2)

全文ノーカットでお届けした記者会見、今回がPart3:最終回。
最後までぜひ読んでいただきたい。

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-先ほどマーケティングの話が出ましたが、Jリーグで130億円のスポンサー収入が現在あります。チェアマンはどれ位のマーケティング規模をリーグに期待されていらっしゃいますでしょうか。それからヴァイスさんにもお伺いしたいのですが、ドイツリーグでも成功例があれば、ぜひ挙げていただければというのと、この新リーグにどれ位の規模を期待しているのかをお伺いしたい。

(川淵チェアマン)
この辺はね、希望的観測とかを考えて、とりあえず最低10億円あればいいなと。
それから20億円あれば、各チームにこういう配分ができるなとか。
15億円あれば、まぁまぁとか。
自分なりのイメージはあるんですけれども、さっぱり分からない、正直言って。
だから、最低。いやっ、最低という言い方がいいのか分からないんだけれど、15億円あれば何とかチームが配当として喜んでもらえるのかなと思いますけど。
これはもう電通さんの努力に、とにかくお願いするよりしょうがないので、全く読めないです。正直言って。
テレビの放映権なんかについても、現に色々と放映して頂いておりますけれども、サッカーのようなわけには行かないんで。
これが全く分からないですね、放送はしてもらえるとは思いますけど。
全く読めないです、正直言って読めないです。

(ヴァイスチェアマン)
まずは興味は理解しているんですけど、やはりバスケットボールとサッカー、バスケットボールとバレーボール、サッカーと野球というようにスポーツをお互いに比較する問いうことが間違っていると思います。
この競技は何億儲けていて、我々の競技はどれくらい集めないといけないような形で、競技を比較して評価することはいけないと思います。
しかし、日本バスケットボール界ではどのように最大のパートナーやスポンサーを獲得していくのかに対して、尽力していくのかということを思います。
それはリーグに関しても同じだと思います。
どんなに我々が電通さんという素晴らしいパートナーを得たかとしても、短期的に結果を追い求めるのは宜しくないとおもいます。
まずは忍耐を持って、我々がどの立場にいるのか、そしてバスケットボールをファンに対して、どのように魅力的に見せていくのかということも考え踏まえて、やはり長い目でスポンサーやパートナーを獲得していく必要があるかと思います。
バスケットボールが他のスポーツと大きく違う点は、他のスポーツに比べまして、若い・凄いダイナミックである、そしてアスレティックであるという点だと思います。
他にもバスケットボールというのは一人でもできるというスポーツだという風に、自らボールを持ってゴールに入れればいい訳です。
確かにサッカーやハンドボールでも同じことが言えますけれども、バスケットボールというのはゴールを決めたら自分のところにボールが戻ってきます。
そして、次に一人でプレーができる訳です。
そういう意味で他の競技とは大きく違う点があるのではないでしょうか。

 

-新リーグ法人に関する役割について教えていただきたい。Jリーグのような役割を果たしていくでしょうか。例えば、マーケティング部分は別会社にしたら色々な投資がしやすいという考え方もありますが、その辺をどのようにお考えでいるのでしょうか。

(川淵チェアマン)
Jリーグの方式と全く同じと考えていいでしょうね。
ただマーケティング、その他に関しましては、別会社と交渉するというのではなくて、電通さんと直接交渉するのであって、その間にそういう他のエージェントみたいのが入ってしまうと、電通さん・エージェント・リーグ法人という流れになってしまう。
そういう流れで交渉を行うことはありません。
やっぱりメインは直接やってきた中で、付随的に事業ができるような事があるならば、そういう別法人でやればいいと思いますけれども。
その中で、JリーグのJリーグエンターテイメントみたいな立ち位置の会社ができればいいなと思っていますけれども。

 

-ユースチームについてお尋ねしたいんですけれども、これはカテゴリーとして高校生年代のチームと中学生年代のチームが分かれているのか、その辺の詳細に関して教えていただきたい。

(川淵チェアマン)
基本的な狙いはU15とU18ですね。
だから、そういう世界選手権に備えるようなチームという意味で、中学生代表・高校生代表、場合によって余裕ができればU15・U16・U17ぐらいのそれぞれの年代によって、チームが持てるようになれればいいなと思っていますけど、それにはコーチもいる事だし、経費も掛かりますから。
その辺でマーケティングの需要が凄く広まれば、そういう事を我々として要求する事が多くなるんでね。
ぜひ、そうなって欲しいなと思っています。

 

-当分の間は年代関係なくアンダーカテゴリのチームを持っていれば大丈夫と。

(川淵チェアマン)
そういう事ですね。
あまりにも色々な設定をすると、結構中体連や高体連との関係もあって、今すぐにそういう事が出来にくい状況がありますから。
少なくともこういう若手のチームは、うちのチームは保持できるよという事を、とりあえずは提案してもらいたいというところですね。

 

-代表強化のためにはトップリーグというのは、ある程度人気と実力が伴ったチームが集まって切磋琢磨した中で行うのが理想だと思いますけども、bjリーグですと沖縄・秋田、NBLですと栃木やアイシンあたりのチームが集客・実力が伴ったチームかと思います。参考までに現時点での、この4チームの評価・印象・課題などがあれば教えていただきたい。また、次の4月28日に開催予定のタスクフォースの内容があれば、教えていただきたい。

(境田 氏)
4月いっぱいでエントリーの締め切りなので、その時点での申し込みのチームが発表されると思います。
あとはガバナンスの問題でJBAの改革案が決まりますので、その内容を発表する。
主な内容としては、そんな形です。

(川淵チェアマン)
ぼくはね、今おっしゃっていただいたチームを見ていないんですよ。
だから、コメントのしようがない。
でも、非常に魅力的なチームだということは、よく分かっているし、ただ外国人が3人プレーできるbjリーグと2人プレーできるNBLとの差が、そういうところにどう表れていくのかということを実際よく分かりません。
どちらにしろ、オリンピックに出ていないんだから、その代表チームがオリンピックに出るための努力というのは、今までまるで為されていなかったと同じだという風にバスケットボール界は理解して、育成に全力を挙げて取り組んでいくべきだという風に気持ちだけは一番あって。
今のチームは申し訳ないけど見ていないので、コメントはできません。

 

-例えば他の基準は全てクリアできるんだけれども、ただし5000人のアリーナを使って一つのアリーナではなく、県内の幾つかのアリーナを使えばクリアできる場合に、それは認められることになるのかどうか。一つのアリーナだと計画としてクリアするのは難しいけれども、複数の大きなアリーナを使うことによってクリアするということであれば、そういうチームを認めることはできるのかどうか。もう一つは協会のガバナンスに関して、これまでの協会組織の何が問題と考えて、今回のこの組織にしようと考えたのか。それに関連して理事を6人にするという事は定款などを変更する形になると思いますが、変更に関する日程的な部分はどのようになっているのかを教えていただきたい。

(川淵チェアマン)
ホームアリーナはホームアリーナなんですよ。
ホームアリーナが3つも4つもあるのをホームアリーナとは言いませんね。
ホームアリーナ存在そのものが、少なくともbjリーグには無かったわけですよ。
最低で使用しているアリーナが3つくらいかな、あとは6つや7つを回している訳ですよ。
こういうのはホームアリーナとは言えませんね。
ホームアリーナを持っていなくて、なんでホームアリーナの価値が分かっているんかと。
それを今回ホームアリーナを持つことによって、観客動員なり、そのチームの地元への根付き方なり、そこから発生して来るんだという意識をホームアリーナ中心にやってほしいと言うことですから、あちこちにホームアリーナを持つという考え方は有りえないですよね。

協会のガバナンスですけれども、何が悪かったかってガバナンスがいけなかったからですよね(笑)
要は都道府県協会に対して、きちんとした指示をしても相手が素知らぬ顔をしたって、それをある程度許さざるを得なかった、許していたということがいっぱいあったり。
運営そのものに関しても人任せであったり、そういう協会自身がリーダーシップを取って、色んな行事に率先してやってきたことじゃなかったから、今こういう風になっているわけですよね。
リーグが2つに分裂した後の対応に関しても、やはり充分な話し合いをお互いに持ったと言っていますが、ぼくに言わせれば、本当に折り合う前提の上で話し合っているとは思えない。
そういうところから言うと、とにかくリーグが2つあるという事はガバナンスがなっていないと、それだけで言われてもおかしくないんで。
それをまさにFIBAが指摘しているんですね。
そういう意味で言うと今回は、本当に強力なガバナンスが発揮できるような組織にする為には、どのようにしないといけないのかは本当に難しい問題で。
基本的には、どんな立派な定款やどんな立派なルールがあっても、最後は人ですね。
その人をどういう風に探していくのかというのが、しかもFIBAからの指示によると、過去バスケットボール界に関係した人を一応は今回排除してという言い方はいけませんけれども、そういう人たちを除外した形で新しいメンバーで協会の幹部を決めてほしいという事を言われています。
だから、ぼくなんかは人が全く分からないので、色々な情報を今集めていますけれども、非常に一番難しい問題はいかに会長や事務総長を選んでいくのか。
ここは最大の難問ですね、それを解決しないと最後FIBAは解除許可はできないという事になるでしょうから。
ここはあと2ヶ月足らずに、しっかりそういう人を見つけ出す作業をしなければならないです。

 

-リオオリンピックの予選に関しても出場停止になっているわけですけれども、出場できるという判断をしても宜しいのか。これから決めないといけないところもたくさんあるとは思いますが。

(川淵チェアマン)
それはいいと思いますよ。
ヴァイスチェアマンといつも話し合いをしながら、これはこういう風にしないとFIBAは認めないよという助言をいただきながら進めていますから、その助言が効かないのであれば、こうやらないと。
(※ここで冗談でヴァイスチェアマンの腕をさすって、押し倒そうするポーズを見せた川淵チェアマン。)
僕としてはやっていられない訳で、そんな事したら、簡単にやられちゃいますけどね(笑)体の大きさからいって。
そういう事で今のヴァイスチェアマンの意見を取り入れながらやっている限りは間違えないと思います。

 

-ガバナンスの部分で一点お伺いしたいのですが、会長等々を選ぶという際に、過去に携わった人間を選べないという訳ですが、それ以外の条件で言うとバスケットボールに関わっているということは入ると思います。それ以外にこういう人にやってもらいたいという抱いているイメージを教えてください。

(川淵チェアマン)
やはり基本的に強力なリーダーシップを発揮する人ではないと非常に難しいという事ですよね。
そしてバスケットボールを知っている人に絶対限るというわけではないと思いますね。
結局しがらみがあったり、色々なバスケットボールの世界で生きてきただけのネガティブな面も出てこないとも限らない。
そういう人がイカンから、今までFIBAから色々と言われる筋合いはありませんね。
そういう事では本当に難しい人選だと思います。

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メディアからの質問が終わり、川淵チェアマン・ヴァイスチェアマンから両氏からコメントが最後にあった。
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(川淵チェアマン)
質問がないなら、ぼくから一つ言いたいんだけど。
今日は仮に張り付けになっても、これはやらないと言ったチームが出てくると思ったんだけども、そして発言に対して質問があると思って待っていたんだけども、誰もしないんでガッカリしちゃった。
それは何故かというとですね、Jリーグがスタートする時に、当時の読売新聞の渡辺社長が、ぼくに対して色々批判された訳ですよね。
その批判が物凄く大きな力になった訳ですよ。
これは十数年経った後に感謝している話ですけど。
あの時に渡辺社長(当時)が色々と言われなかったら、JリーグのPRの機会なんて、ほとんど無かったんですよね。
あの時言ってくれたから、色々なところにJリーグの理念や何をしようとしているかという事を、マスコミがどんどん書いていただいた。
だからJリーグは世間に認知されるようになったんですよね。
今回一番欲しいのは前に申し上げたかもしれないけど、そういう人が欲しいなと思っていたら、秋田県の知事が仮に張り付けになってもと言っていたから、ちょっと地方という事で位置付けが違うかもしれないけど。
これを利用するかと思っていたら、今日何も質問がないんでね。
ぼくとしてはガッカリしているんですよ。
それをぼくが言うとおかしいですが、アンチ川淵が出てくるという事は、ぼくとしては苦慮の幸いという事があって、これをまたどこかでコメントしようとは思っているんですけど。
そういう人がどんどん出てきて、渡辺社長(当時)みたいな人には勝てないと思いけれども、どんどん出てきてほしいと思っています。
それがぼくの最後のコメントです。

(ヴァイスチェアマン)
次回またお会いしましょう。
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記者会見終了後、タスクフォースのメンバーでもあり、非常に様々な調整や実務で尽力をしている、境田 正樹 氏の囲み取材があった。
一部ではあるが、お届けしていきたい。
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-主たる運営法人の主たるという部分に関しては、どのようにお考えなのか。

(境田 氏)
まだ決まっていないけれども、やはり形だけではダメです。
定款変更してもらって、事業の7割・8割以上はバスケットボールじゃなきゃダメという形ですね。
形だけ分社化はダメ、中身を見ます。

 

-チェアマン2人にもお伺いしましたが、改めてファンに向けてメッセージがあれば、お願いします。

(境田 氏)
そうですね、バスケットボール界はラッキーです。
他のスポーツ団体は、もっとなかなかこういう展望が開けない中で、非常に外的な要因からではあったけれども、本当にいい改革をしようとしているので。
これは本当にラッキーだと、ぼくは思っています。
ぼくは、色々な団体を見ているから。

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具体的に動き出した、新しい日本バスケの道。
今後バスケファミリーで全体で、道を切り開いて、将来のために動いていかなければ、日本バスケの道は閉ざされ、鎖国状態になるであろう。
過去は過去である。
未来のために、フラットになった道を、みんなで歩んでいこうではないか!
そう素直に感じたのである。

明日、2015年4月3日(金)
いよいよ新リーグ法人が立ち上がる。
======================
(了)

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