動き出した日本バスケの新しい道 〜 JAPAN 2024 TASKFORCE 記者会見 2015/3/25 (Part1)

  1. コラム
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昨年、日本バスケットボール協会(JBA)は国際バスケットボール連盟(FIBA)から無期限資格停止処分を受け、全ての国際活動の禁止を言い渡された。

■男子2リーグの統合
■JBAのガバナンスの強化
■日本代表(男子・女子)の強化および育成体制の確立

この3つに関して、問題をクリアし、FIBAのセントラルボード(執行役員会)でOKサインをもらえなければ、永遠に日本バスケは”鎖国”状態になってしまうのである。
現にそういう状況になっている中で、差し迫っているリオデジャネイロオリンピックのアジア予選。
さらには2020年の東京オリンピックの開催。

FIBAが求めている問題をクリアするために、6月という短い時間の中で結果を出すため集められた、日本バスケ界を変えるためのメンバー。
それがタスクフォースなのである。

日本語にすると、”任務部隊”
JBAへのFIBAからの無期限資格停止処分を解除するために集められた任務部隊なのである。

今回で3回目のタスクフォース会議、統一リーグに関する各チームへの説明会を経て、2015年3月25日(水)17:00すぎ、東京都内某所で開催された記者会見。
壇上には、陣頭指揮を取っている川淵 三郎 チェアマン、FIBAのセントラルボードメンバーでもあるインゴ・ヴァイス チェアマン、そして弁護士でもあり今回のタスクフォースメンバーでもある境田 正樹 氏の3名が登壇した。

この記者会見の模様を、全文ノーカットで3回に分けて、お届けしていきたい。
そのままの真実の言葉を感じていただければと思う。

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−川淵チェアマン
みなさん、日ごろバスケットボール界の事を報道してくれて、誠に有難う御座います。
少しでも記事が大きくなればと思ってやっておりますが、今日新リーグの参会の条件が決まりました。
こういった条件を受けて、各チームは今後どのように努力していくか、私も非常に期待しています。
初めに5,000人のアリーナと言ったところ、相当のチームから反発を受けましたけれども、今聞いたところによると10以上の行政サイドが既に、こういったアリーナの増設・新設に向けて動いてくれています。
こういう事をきっかけにバスケットボール界が本当に夢を持てればいいなと本当に思っています。
今まではあまりにも夢が小さかった、今回のプロリーグを統一することによって、バスケットボール界の子どもたちも含めた夢が大きく広がっていくことを心から願っております。
ということで、ヴァイスさん、よろしく。

−ヴァイスチェアマン
私の方も今日、皆さんにお会いできて光栄に思っております。
我々FIBAと致しましては、これまでのタスクフォースの動きに大変満足しております。
川淵さんをはじめとしまして、全ての関係者のみなさま、境田先生も含めまして、本当に休みなくバスケットボールの問題を解決するために尽力して頂いております。
今回新リーグを立ち上げるにあたって、更にJBAのガバメントを含めました組織改革を行っておりまして、日本のバスケットボールが前向きに発展していく事を活動しています。
今の様子を鑑みまして、おそらく我々と致しましては、FIBAの6月のセントラルボード(執行役員会)で資格停止処分を解除できるのではないかという風に、良い感触を受けております。
残念ながら、みなさまにお伝えしなければならないのですけれども、モスクワでのU19女子世界選手権ですけれども、セントラルボードとして1週間前に集まりまして、苦渋の選択ではありましたが、まだ資格停止処分中であることで、出場見込みのある日本のチームがが残念ながら出場を禁止すると決定いたしました。
やはり資格はあるけれども、解除がされていない以上、ここで出場させてしまいますと、みなさんが間違った見解をうけてしまうのではないか、誤解するのではないかという風な意味もありまして、今回は敢えて厳しい判断をさせて頂きました。
しかしながら、7月以降に行われる大会に関しましては、これはU19の出場禁止とは関係なく、今後とも強化の準備をして頂きたいと伝えております。
ですので、資格停止処分が解除された際には、日本は何時でもスタートラインに立てるという事です。
準備だけはお願いしております。
我々としましてもFIBAアジアと相談しました結果、日本に関しましては今後世界大会への申請申込は例外的に7月20日以降も受け付けられるように期限を延長しております。
私自身、3月31日に開催されるFIBAアジアのセントラルボードに参加します。
そこで日本の今の現状を報告させて頂きまして、それが大変ポジティブであるという風に発表させていただきます。
川淵さんのご尽力もありまして、日本のバスケットボールがいい方向に進んで行っているという風に報告いたします。
先程、タスクフォースでも私は話したんですけど、日本の場合、今回は分野の違うサッカー業界の人がバスケットボールに尽力して頂けるという事があって、それがドイツでも起これば、スポーツ界にとって大きな力になるのではないかという風に、私は個人的な希望を申し上げてさせて頂きました。
ありがとうございます。(日本語で)

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ここからは各メディアからの質問。

−チーム説明会の最後の方に北海道と青森のチームから質問があったと思いますが、県内の複数の都市にホームアリーナ置くというのは、個別に柔軟に対応する可能性はないと考えていいのか。それと既に10以上の行政サイドがアリーナ問題の解決に向けて動いているという話があり、岩手や神奈川等の話は聞きます。それ以外に具体的に教えて頂く事は、差支えなければ可能なのか。

(川淵チェアマン)
始めのホームアリーナを何か所に持つのはいいのかと言う事ですが、本当に例外的な措置が無いと、何のために8割ホームアリーナでゲームをするという意味が無くなります。
長い目で見て、ホームアリーナがあるからこそ、多くのファンが集い、集まってホームチームを応援するという事であって、今はみんな現状からの比較、現状から見て、先の事を考えているので。
我々はそうじゃなくて、将来あるべきバスケットボール界の発展を前提にやっているので。
この辺は最後の段階では、実行委員会というか、各チームの代表者が集まった委員会というのが新リーグが出来る時にできるでしょうから、そういった中で決めていけば最終的にいいのではと僕は思いますけど。
基本的には8割プレーをするホームアリーナは絶対必要だという事は変わりはありません。

そして、10以上の云々に関しては行政サイドが表に出さないでくれという所があります。
そういう意味では、今それを全部言う事は出来ませんけど、そのうち首長の方が私の所にこういうアリーナを造るから、うちのチームを入れてほしいとことで来られるという予定も聞いておりますので、その段階でオープンになっていくと思います。
今、そういう事で敢えて申し上げられないという事です。

それともう一つですね、申し遅れたというか忘れておりましたが、マーケティングをどういう風にして、どんな協賛企業が出てくるのかというのが、まるでイメージが沸かないんですよね。
現状、各チームは相当な苦労をして、多い所で2億円もスポンサードを受けているチームもありますけど、そのリーグとしてどれくらいの価値があるのかというのを早く知りたいし、各チームにこれくらいの配分もできるよという目安も立てられればいいなという事で、そういう意味で電通さんをエージェントとして決定して、電通さんにこの事に積極的に動いて頂くように、今日お願いしました。
こういった事での見通しというのは、今各チームが持っているスポンサーやその他の詳細を電通さんに知らせる事によって、電通さん自身がどういう方向で協賛企業を探していくことになるのか繋がっていくことになるので。
まぁ、何回先にそのイメージが上がってくるのは分かりませんが、少なくとも7月・8月くらいの段階である程度の数字が明らかになるような事になればいいなと私自身は思っています。

 

−最低年俸の件で当初は1000万円以上と言っておりました。今日は300万円というお話が出ましたが、これが変更された理由を伺いたい。1部と2部がありますが、300万円というのはどちらのリーグも一緒なのか、違うがあるのかというのを教えて頂きたい。

(川淵チェアマン)
最低年俸を出すには非常に難しい問題があって、例えば15人のうち何人が最低年俸で、最高はどういう分布をするのかという事を考えていくと、非常に難しくなるんですよね。
そういった中で常識的に考えた中で、月25万円ならば、まぁ生活するには困らないだろうという位の基準で、現状は300万円という事を伝えて。
ともかく今まではサラリーキャップというものがあって、それ以上はう給料は払えないという事を決めていたわけです。
だから、そういうモノを取っ払って、とにかく最低を決めようという事で、300万円にしたんですね。
それで1000万円というのはですね、NBLがサラリーキャップが1億5000万円と言っていたわけで、それを15人で割り算すると1000万円だから、少なくともNBLクラスの給料・年俸を各チームは払えるようなチームでないと、魅力的なチームにならないと。
その時は1億5000万円÷15人で1000万円と言ったわけで、これはある意味、まずは最初にインパクトを与えるという事で。
まぁ、下げる分にはみんな喜ぶんじゃないですか(笑)選手は喜びませんが。
そういう意味では、ホッと胸を撫で下ろしたという所もあるんじゃないですか。

最低年俸は、それは変えちゃマズイと思っていますね。
それと新人選手に対する最高年俸も全部共通でやりたいと思っています。

 

-U19女子世界選手権に出場できないということに対して、今回一番の問題がトップリーグ男子の問題だったにも関わらず、一番逆側にあるアンダーカテゴリ、更には女子の出場できないというような事になってしまった。これは単に時間的な問題だけであったのか、それとも例えばトップリーグ問題として、男子のシニアカテゴリを出場させないような選択肢も現段階であったのかというのをヴァイスさんに伺いたい。そして、それを聞いたときの川淵チェアマンの心情をお伺いしたい。

(ヴァイスチェアマン)
一つ誤解があるかと思うんですけど、今我々が問題にしているのはU19だ、女子だ、男子だ、トップリーグだという事ではなくて、包括的に日本のバスケットボールを問題視しているわけです。
今回やはりU19女子世界選手権に関して抽選会が3月でしたので、7月に資格停止処分が解除できるかどうか分からない段階でGOサインを出すという事は、どうしてもやはりできなかった。
やはり時期の問題だと思います。
ですので、例えば7月に向けてU19のチームに待機と伝える事も大変酷な事です。
どうなるか分からない事でありますから、ですので我々と致しましては、別にU19のチームがトップリーグがどうだとか男子がどうだとかのせいで犠牲になっているのではなく、やはり日本のバスケの問題だけで苦渋の選択をしたという事になります。
もしここでU19に対して例外的に出場を認めた場合、その時に我々FIBAとしての資格停止処分をしたという判断基準自体が甘く見られるという事がありますので、残念ながらこのようは判断をさせていただきました。
個人的な部分で女子チームに対して、申し訳なく思っております。
最後の最後まで川淵さん、JBAの梅野さんが例外的な措置は取る事はできないだろうかと相談してはきておりましたけれども、やはり今回の資格停止処分は日本のバスケットボールの問題であるので、これを全てクリアにする事ができない以上、我々と致しましては出場をさせることをさせない処分を取らせていただきました。
個人的に申し上げますと、7月に資格停止処分がクリアになる事であろうと確信しております。
我々はいい方向に向かっております。

(川淵チェアマン)
ヴァイスさんは我々に全てにおいて好意的に配慮してくれているので、そう言った中で今回の決定がなされた事に対しては、やむを得ないなと理解しております。

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(Part2に続く。)

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